1957年(昭和32年)1月名古屋市熱田区千代田町に工場完成（職員5名・工員5名）

タイルメントの創業はまったくの「無」から始まり、今日のベンチャ－の申し子みたいなものでした。

戦後の昭和26年、まだ渡航がままならぬ時代、創業者である故小林盛人はタイル売り込みにアメリカへ渡り、南米、北米と商談を続けながらニューヨークにたどり着きました。
その繁栄に目を見張りながら、あちらこちらの建築現場で、タイル、大理石等、内装材を黒いネバネバしたもの（名称・ミラクルグル－）で施工をしているのに出会いました。
このネバネバに興味を引かれ、職人に聞いてみると接着剤だと言います。故小林盛人は瞬間的にこれは「モノ」になるとひらめき、心が躍ったそうです。

日本では建築分野での「接着」という概念はなく、もっぱらセメント、釘などに頼っていた時代だったので、これからの日本でも普及すると確信したとのことです。

帰国した故小林盛人は故中林信二（旧　社長）を誘い、2人3脚で研究を開始しました。故小林盛人 当時35歳、故中林信二 当時29歳のときでした。
もともと化学にあまり精通していない2人でしたが、縁あって故井上正男（当時名古屋市工業研究所課長、後の当社専務）を知り、協力を得ながら約2年の歳月をかけて商品化に漕ぎ着けました。
昭和28年10月、名古屋市千種区春岡通に特殊陶紙（株）として登記しましたが、すぐに翌年2月に社名変更で日本タイルメント（株）として実質的なスタ－トを切りました。

販路もなく、資金もなく、技術者もいないという中での誕生でした。

1961年(昭和36年)4月名古屋工場竣工（面積：710坪、生産能力：250t/月）

伊勢湾台風に直撃され、大きな被害を受けましたが、これを契機にして本格的な工場を建設すべしという気運が社内に高まってきました。
借り物の敷地、借り物の工場ではなく、自分たちの手で工場建設をという願いです。
社内でも真剣に検討され、思い切って新工場を建設しようという方針が固まってきました。

メインバンクの三菱銀行さんの紹介もあり、甚目寺町に710坪の土地を入手しました。

昭和34年7月のことです。当時甚目寺町は工場誘致に積極的で、有力者の方々の多大な協力を得ました。
話はとんとん拍子に進みました。土地といっても田んぼであったため、2メートルも埋め立てをしなければなりませんでした。
名古屋工場の創業開始は昭和36年6月です。当時の人員は17人でした。

1969年(昭和44年)6月本社社屋、中村区宿跡町1丁目に完成（名古屋営業所・兼）

世の中は東京オリンピックをめざし、東海道新幹線をはじめとするインフラ整備が進み、その後の「いざなぎ景気（昭和40年・45年）」と続き昭和45年3月には大阪万博が開幕、日本経済は飛躍の時期となりました。

当社もまた、この時期には商品アイテムも30品種以上の品揃えができ、建築関係の方々に広く知られるようになってきていました。

昭和41年、建設省は1世帯1住宅の新5カ年計画（760万戸）を発表し、年間新設住宅着工数147万戸を計画。当社の主力商品の1つであるアスファルトを用いた床材用「A-700」の売れ行きは順調で、月間70～90tと年間目標1000tに迫る勢いでした。

このため、シエアの90％を占めていた床材メ－カ－大手10社からも高い評価を得、床材施工業者から信頼される商品となりました。 また、昭和45年には住宅公団が接着工法を指定工法として採用したことによって、用途に広がりを見られるようになってきました。

こうした状況下、昭和44年6月には名古屋に本社社屋が完成して、営業の拠点が確立。
その後も、営業所の開設（昭和45年、福岡・昭和47年、戸田）や、危険物倉庫新設（昭和48年　名古屋支店・戸田営業所）が続きました。

1972年(昭和47年)10月大垣工場竣工（第1期）

昭和47年7月、7年に及ぶ佐藤栄作首相による長期政権から日本列島改造論を掲げた田中角栄内閣にバトンタッチされ、経済は上り調子を迎えていました。
当社も前々から、甚目寺工場だけでは需要に対応できなくなると考え、新工場建設を模索していました。

そんな時、原料供給を受けていた日本合成化学工業株式会社さんのご協力もあり、大垣市浅西1-4（現住所）に約8000平方メ－トルの土地を取得する事ができました。
すぐ建設に取り掛かり、昭和47年10月竣工。

大垣工場は2F建ての現場事務所と工場棟2棟と付帯設備をそなえ、酢ビ溶剤タイプ200t/月・EVAエマルションタイプ100t/月という生産能力で、投資額約1億2千万円かけたプロジェクトです。
従業員は管理者を除いて地元の方を採用し、その後も地域との交流も深めながら発展していくことになります。

2001年(平成13年)11月タイルメントタイランド新工場竣工

1989年5月、タイのバンコクに三木産業株式会社現地資本との合弁会社タイルメント（タイランド）コーポレーション・リミテッドを設立し、イーソン・ペイント・プロダクツ社、コスミック・サンタイ社、ユニオンアソシエート社、コンマート社等々の協力を得て、スピンドル鋲の生産工場をスタートさせました。

この事業は、我が社が長年にわたり手がけてきたスピンドル鋲の生産を通し、タイ国に寄与すると同時にASEAN諸国の建設産業の発展に貢献することを目的としています。

2001年11月にはBOIを取得するとともにサラブリに工場を移築し、規模を拡大させました。
そして2002年10月にはISO9001（登録証番号：JQA-QM8864）を取得して信頼性も高めることになりました。

2004年(平成16年)2月グローバル・グリーンプロジェクト発足

2006年(平成18年)新グローバル・グリーン（GG）が始動

2015年(平成27年)8月800L新設備稼働

2014年4月、大垣工場に大規模な生産設備の増設を目的とする「800Lウレタンプロジェクト」が始動しました。

当社では当時、化学反応系製品の需要拡大に伴う供給課題を抱えており、その対応が第一の狙いでした。
また将来の市場拡大を見込む変成シリコーン系、ウレタン系接着剤の少量タイプ、ならびに速硬化タイプの品揃え追加への備え、さらに販売拡大に結び付ける営業戦略を含め、複数の課題を一気に解決することが可能であり、本プロジェクトの実行により「品質」「コストダウン」「サービス」の向上に邁進しました。